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フランスのストリートアーティスト「L’Atlas(ラトラス)」とは?生い立ちや実際のタグや壁画を紹介

シンプルなのに強烈に印象に残る。そんな唯一無二のスタイルで、世界のストリートアートシーンを魅了しているL’Atlas(ラトラス)。

この記事では、フランス出身のストリートアーティストL’Atlasの魅力を、ファン目線でご紹介します。

目次

L’Atlasってどんなアーティスト?

L’Atlas(ラトラス)ことジュール・デデ・グラネルは、1990年代にグラフィティと出会いました。2001年にグラフィティで逮捕されたことをきっかけに合法的な表現に切り替えます。その後数年でパリの誰もが知るアーティストになり、現在では都市空間や宮殿などに作品を残しています。

彼の作品の最大の特徴は、唯一無二のレタースタイルと象徴的なモチーフにあります。一見すると幾何学的な迷路に見えるその図形は、実は「LATLAS」という文字で構成されていることも。

「絵も色使いも得意じゃなかった」と語るL’Atlas。だからこそたどり着いた、シンプルで力強いモノクロのスタイルが、今の彼の代名詞になっています。

ストリートアーティスト”ラトラス”のプロフィール表

アーティスト名L’Atlas(ラトラス)
本名ジュール・デデ・グラネル
出身地フランス・パリ
活動地域フランスやアメリカなど
生年月日1978年
SNSアカウントhttps://www.instagram.com/latlas_art/
webサイトhttps://latlas-art.org/

L’Atlasの歩み

インタビュー記事やL’Atlasについて書かれた情報をもとにL’Atlasの生い立ちからこれまでの歩みを紹介します。

L’Atlasの生い立ち

L’Atlasは、映画や写真、編集といった芸術に囲まれた家庭で育ちました。父は映画監督モーリス・ピアラやフランソワ・トリュフォーの編集を手がけた人物で、幼少期から彼は映画館で昼寝をし、映像表現に慣れ親しんでいました。

L’Atlasの10代 グラフィティとの出会い

彼の人生を変えたのは、13歳のときに出会ったグラフィティ界のレジェンド・John One。力強い表現とストリートの現場感に衝撃を受け、「いつか自分もストリートで書く者になる」と心に決めたそうです。

L’Atlas 書道を学び始める

1996年にラテン書道を学び始め、1998年から2000年にかけてモロッコ、カイロ、シリアでアラビア書道を学びました。特に幾何学的なクーフィー体(Square Kufic)に魅了され、これを自身の作品に取り入れています。

ファッションデザイナー「アニエス・ベー」と出会う

1998年ラトラスがトラックにタグを書きました。そのトラックはファッションブランド「agnès b.」の配送トラックでした。これを見つけたデザイナーのアニエス・ベーは、ラトラスのタグを気に入り、タグの主と連絡を取るため、グラフィティ界隈に詳しかった自身の娘を通じてアーティストのInvader(インベーダー)に連絡。そこからラトラスと直接コンタクトが取られることになりました。

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この出会いは、ラトラスにとって大きな転機となります。
アニエス・ベーは彼の才能をいち早く見抜き、自身のギャラリー「Galerie du Jour」での展覧会に彼を招待。さらに、彼の初めてのキャンバス作品を購入するなど、継続的な支援を行いました。

それ以降、ラトラスの作品はagnès b.の店舗ディスプレイやTシャツなどのアパレルにも取り入れられ、彼の名はストリートアートとファッションの両シーンで一躍知られる存在となっていきます。

2001年にグラフィティで逮捕

2001年にグラフィティで逮捕されてしまいます。この時ラトラスだけでなく一斉にグラフィティライターたちが逮捕されたそうです。

ラトラスはその後、合法的な表現にシフトしていきました。

とはいえ彼はストリートで自分を表現することは変えませんでした。具体的には地下鉄の出口などに白いガムテープでメッセージやモチーフを残したりしたそうです。

公共空間や歴史的建築物での作品制作

L’Atlasは、近年ではフランス国内外の歴史的建築物や公共空間にも作品を残すようになっています。
たとえば、2020年にはフランス・イッシー=レ=ムリノーにて、宮殿のような建築の床に巨大な床画(フロアアート)を手がけ、その存在感と緻密さで多くの人を魅了しました。
また、これらの作品は単なる装飾ではなく、都市空間との対話を意識したインスタレーションとして設計されています。

壁画の制作やグラフィティの活動も行っているようです。

参考:https://www.calligraphy-museum.com/en/news/news/ancient-calligraphy-meets-politics-in-modern-arabic-graffiti

参考:https://youtu.be/o01J2bTW7yA?si=M2MZC5aPzVdsQmi3

L’Atlasのタグや壁画作品を紹介

本人のInstagramからいくつかの投稿をピックアップして紹介します。

文字が比較的読み取りやすいL’Atlasの作品

この作品は「LATLAS」の文字が見えやすいスタイルです。見えやすいと言ってもはっきり書かれているわけではないため、なんとなく「L」や「A」のように見える程度になっています。

L’Atlasのタグ

グラフィティのタグもスタイルが出ていてかなりかっこいいです。

ラトラス氏はもともとグラフィティ出身のアーティストで、有名になるきっかけもとあるトラックにタグを残したことが始まりです。

L’Atlasの壁画

壁一面を覆うスケール感と迫力は、L’Atlasの真骨頂。特に壁画は圧巻です。

以下のように宮殿のような建物に壁画を施すこともあります。

L’Atlasの作品が意味するもの

L’Atlasが繰り返し用いるモチーフには、それぞれ深い意味があります。単なるビジュアルではなく、都市を読み解くための“言語”として描かれているのです。

迷路 ── 社会構造と人間の葛藤

彼の代表的な表現のひとつである”迷路”は、現代社会の複雑さや制度の絡まりを象徴しています。私たちが日々直面する選択、抑圧、そして迷いを、幾何学的に抽象化したかたちが迷路です。見る人は自分自身の“迷い”をそこに重ねることができるでしょう。

コンパス(羅針盤) 内なる指針

一方で、”コンパス”はその迷路の中で私たちが持つべき内なる“指針”を象徴しています。混沌とした都市のなかで、外部の情報に流されず、自分の軸を保つための象徴的なサインです。実際、彼はパリの地下鉄出口に“本物の道しるべ”のようにコンパス作品を描いてきました。

L’Atlasが語る哲学と美学

L’Atlasの言葉には、彼のアートに対する深い哲学と美学が反映されています。

  • 「芸術とは、自分を超えた何かに貫かれること」
  • 「アーティストとは、世界を通過する“媒体”である」
  • 「行動は言葉より重い。だから僕は作品を通して語る」

彼はアートを“思考の結果”ではなく“直感と経験の結晶”として捉えています。また、書道を学んだ経験から「空間を見る」「余白を生かす」といった東洋的な美意識も取り入れています。

L’Atlasの壁画制作やインスターレーションなどの活動

L’Atlasはこれまでに、世界各地で数々の印象的な壁画やインスタレーションを手がけてきました。

  • パリ(フランス):ポンピドゥー・センター前広場での巨大迷宮アート(2008年)
    (※現在は見れない可能性が高いです。)
  • ニューヨーク(アメリカ):3,000個の白い風船による没入型インスタレーション(2023年)
  • イッシー=レ=ムリノー(フランス):公共スペースへの大型壁画インスタレーション(2020年)

L’Atlasとコラボレーションした企業・ブランド

L’Atlasは有名ブランドや企業ともコラボレーションを行ってきました。

  • ペリエ(Perrier):限定デザインボトルを制作。街中の広告とアートを融合。
  • アニエス・ベー(agnès b.):初期から彼を支援し、アパレルや展示など幅広くコラボ。
  • FENDI:ロゴデザインがティシャツなどのアイテムに採用された。

L’Atlas × Perrier──世界を巡るアートボトル

L’Atlasは、フランスの炭酸水ブランド「ペリエ(Perrier)」と世界規模のコラボレーションを展開しました。限定ボトルには、彼がこの企画のために描き下ろしたアートが使用されました。

このコラボレーションは、ニューヨークをはじめとする世界4都市で大規模なインスタレーションと共にローンチされ、Catherine Ahnell Galleryではインスタレーション後のパフォーマンスも行われました。

ウォーホルやダリ、JonOneなどに続くアーティストとして、L’Atlasがその名をPerrierの歴史に刻んだことは、ストリートアートが持つ世界的な影響力の象徴とも言えるでしょう。

L’Atlas × agnès b.

agnès b.はL’Atlasの作品をブランドのウィンドウディスプレイやTシャツなど、さまざまな形で発表しています。

このコラボレーションは、ストリートアートとファッションの垣根を越えた先駆的な取り組みとして、L’Atlasの活動を象徴する代表例となっています。

L’Atlas × FENDI──ラグジュアリーブランドとの革新的コラボレーション

このプロジェクトでは、L’Atlasの代名詞ともいえる幾何学的で抽象的なレタースタイルをFENDIのアイテムに融合。特に注目されたのは、彼が手がけたFENDIのロゴデザインで、Tシャツなどのウェアに採用されました。

最後に

この記事では、フランス出身のストリートアーティスト・L’Atlas(ラトラス)の生い立ちから、グラフィティとの出会い、書道の修行、そしてアニエス・ベーやFENDI、Perrierといったブランドとのコラボレーションまで、彼の歩みと魅力を紹介しました。

幾何学と文字を融合させた独自のスタイルは、一見シンプルでありながらも深い意味を含んでいます。ストリートから出発しながらも、都市空間や歴史的建築物、ラグジュアリーブランドにまで活躍の場を広げたL’Atlasをもっとしりたいと思った方は、ぜひ彼のInstagram(@latlas_art)もチェックしてみてください。

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