シンプルで親しみやすい作品で、多くの感情を表現するアーティスト、STIK。
数多くのストリートアーティストの中でも、一際目立つスタイルでメッセージを発信しています。
この記事では、世界中から愛される、STIKの魅力やプロフィールを紹介します。この記事を読んでSTIKの魅力が少しでも伝われば幸いです。
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STIKのプロフィール
アーティスト名 | STIK |
出身 | イギリスのロンドン |
生年月日 | 1979年生まれ |
SNSアカウント | インスタグラム:@stik |
Webサイト | https://stik.org/ |
STIKの読み方は?
STIKは、「スティック」と読みます。
ストリートアーティスト「STIK」の名前の由来は?
過去のインタビュー記事を調べた限り、STIKの名前の由来について言及されている記事を見つけられませんでした。
棒人間は英語で「stick figure」と呼ばれるため、「stick(棒)」をもじってつけられた名前なのでは、と推測されています。
STIKはいつから棒人間を書いてた?
STIKは、鉛筆を持てる年齢になった時には、棒人間を描いていたそうです。
過去のインタビューでSTIK本人が答えています。
STIKの経歴は?美術学校に通っていた?
STIKは、美術学校には通っていません。ただし、長年アーティストのモデルとして働いていました。この経験から人間の体の構成や解剖学的な知識を自然と身につけていきました。
※「アーティストのモデル」とは、美術家やアートスクールの生徒が絵画や彫刻などの作品を制作する際に、人の体の形やポーズを観察しながら描くポーズをとる「モデル」
STIKはいつからストリートで活動している?
20代前半からストリートで活動しています。
STIKは独自の棒人間を使ったアートが特徴的
STIKの作品の大きな特徴は、6本の線と2つの点で描かれた、棒人間のキャラクターです。
ときに愛らしく、ときに強いメッセージ性を伝える棒人間は、つい見入ってしまう不思議な魅力を持っています。
棒人間をメインに、さまざまな感情を表現していることも特徴の1つです。
STIKの3つの魅力
STIKのアートの魅力は、シンプルさや強いメッセージ性です。
シンプルな線や色合いだからこそ、伝わるSTIKの信念に共感をしているファンも数多くいます。
直感的に魅力が伝わる

STIKのアートは、シンプルな棒人間にも関わらず、微妙な体の傾きや手の動き、目の位置によって多くの感情を表現しています。
手を繋ぐ姿勢やうつむいた顔などからストーリーが見えてきます。シンプルがゆえに、パッと見て直感的に魅力が伝わるのです。
たとえば2020年にロンドンで描かれた「Holding Hands」。2体の棒人間が手を繋いでいますが、微妙に距離があります。これは、社会の中で異なるバックグラウンドを持つ人々が共に生きることを表現しています。
彼のキャラクターは、シンプルな形だからこそ、誰もが「自分の感情や経験」と重ね合わせることができます。子どもから大人まで、どんな国の人でも共感できるのが、STIKのアートの大きな魅力です。
STIKのシンプルな線で表現する特徴は日本の〇〇から学んだ
STIKは日本に1年ほど住んでいたことがあり、「シンプルな線で表現する」という特徴は、書道で学んだ「漢字」が影響しているそうです。
シンプルな色合いで強いメッセージを伝えている

STIKの作品は色合いもシンプルです。壁に対して、黒と白が際立つアート。
建物の多い街中でも、一瞬で目に入り、何かを訴えていると感じさせる力があります。
地域に住む人々の声を代弁している
STIKはその地域の人々が直面する問題や感情を反映させたアートを作っていることも特徴です。
STIKは「ストリートアートは地域の人々と密接に関わるべき」と考えているため、住民の声を作品に反映させています。
地域の問題や作品が作られた背景を知ると、よりアートへの理解が深まります。
STIKが有名になったきっかけ
STIKは、2000年代からアート活動をはじめ、2010年代から注目を集めるようになりました
とくに注目の集まったエピソードを3つご紹介します。
ロンドンの市営住宅の壁に描かれた「Big Mother」

2014年、STIKはロンドンのハックニー地区に「Big Mother」という巨大な母と子供の棒人間のアートを描きました。
高さは125フィート(38.1メートル)
話題になった理由は、作品を描いた建物は、低所得者が住む公営住宅で、再開発によって取り壊されることになっていたから。低所得の住民たちは立ち退きを迫られていました。
そこで、STIKはアートで地域の人々の不安を代弁し、大きな議論が巻き起こりました。
2018年には、「Big Mother」の描かれた壁は取り壊されましたが、壁画を小さくした「Little Big Mother」という作品を発表しました。STIKは、「Little Big Mother」をチャリティーオークションに出品。
落札額は5万2500ポンド(約1000万円)に達し、売り上げを慈善団体に寄付しました。
「Sleeping Baby」を描いたホーマートン病院に5万ポンドを寄付

2015年、イギリスのホーマートン病院の壁に描いた「Sleeping Baby」という作品も大きな話題になりました。
当時、イギリスの公的な保健サービスである「NHS」を民営化しようという議論が巻き起こっていました。
しかしSTIKは、NHSの民営化に反対。
NHSの資金で運営されているホーマートン病院の壁にアートを描き、しかもアートをシルクにプリントして売り出しました。STIKの作品が描かれたシルクプリントの販売が決まると、イギリス全土から人々が集まり、なかには一晩かけて並ぶ人がいたほど大盛況でした。
あっという間に完売し、売り上げはすべてホーマートン病院に寄付。この活動により、NHSの民営化に反対する姿勢を示しました。
地域の文化や多様性を尊重

ロンドン東部にあるブリックレーンに描かれた「A Couple Hold Hands in the Street」も注目を浴びました。
このアートは、イスラム教徒の女性が着用するニカブを身につけた人と、ニカブを身につけていない人が手を繋いでいる作品です。ブリック・レーンは移民の多い地域ですが、イスラム教徒の人々は、よく差別や偏見の対象になっていました。
STIKは、「異なる文化を持つ人々が共に生きること」を表現するため、壁画を描きました。
「A Couple Hold Hands in the Street」は、地元のイスラム教徒コミュニティにも受け入れられ、「英国で最も人気のあるアート作品の一つ」言われるようになりました。
2017年、イギリスの三大紙の1つであるガーディアン紙の世論調査では、イギリスで17番目に人気のある芸術作品としても選ばれています。
子供たちとのアート活動や慈善活動も積極的に行う
STIKは、アート以外の活動も活発に行っています。
とくに子供やホームレスなど、社会的に弱い立場の人々を応援したり、サポートをするような事業に積極的に参加しています。
地元の子供たちとアートを作るワークショップを開催

STIKは、海外の子供たちと交流しながらアートの楽しさを伝える活動をしています。
たとえば、2023年、日本の静岡県で開催された「静岡ストリートアート・プロジェクト」では、子供たちと一緒に長さ50メートルの壁にペインディングを行いました。
ちなみに、「静岡ストリートアート・プロジェクト」での売り上げは、ホームレス支援団体や東日本大震災児童災害慈善事業に寄付をしています。
社会的弱者の支援を積極的に行っている

2013年、STIKは「The Big Issue」に自分のアート作品を提供しました。
「The Big Issue」は、ホームレスの人々が自立を目指すための雑誌です。STIKの表紙のおかげで「The Big Issue」は大きく売り上げを伸ばし、ホームレスの人々の収益が上昇。
STIK自身がホームレスの経験を持つことから、「The Big Issue」とのコラボレーションは、彼にとっても大きな意味を持っていました。ほかにも、ホームレス支援団体と協力しながら、家のない人々の自立を支援する活動などを行っています。
STIKインタビュー一覧
・2011年 Street Art London

・2012年 LONDONIST
https://londonist.com/2012/05/interview-street-artist-stik
・2012年 STREET ART NYC
・2012年Little London Observationist

・2015年 The gardian
https://www.theguardian.com/artanddesign/2015/aug/11/street-artist-stik-interview
・2017年 BIG ISSUE
・2019年 CHREISTEI´S
最後に
STIKは、バンクシー、カウズなどの著名なアーティストとも比較されるほど、アート界を代表するような存在となりました。
エルトン・ジョンやボノ、ブライアン・メイなど、世界でも有名な人々がコレクターやファンとして名乗りを上げています。
今後のSTIKの活動にも、注目していきましょう。
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