女性ストリートアーティストの第一人者「Swoon」
Swoonは女性としてストリートアート界で最初に名をあげたとして知られています。
Swoonの実際のストリートアートの様子や展示の映像はストリートアート のドキュメンタリー映画「インサイドアウトサイド」で見ることができます。
※「インサイド/アウトサイド」は内容的に配信サイトで扱えるものではないため、NetflixやAmazonプライムなど各種配信サイトでは見ることができません。
ストリートアーティストSwoonとは?
アーティスト名 | Swoon |
出身地 | フロリダ州 |
活動地域 | アメリカを中心に世界的に活動 |
生年月日 | 1977年 |
SNSアカウント | https://www.instagram.com/swoonhq/ |
webサイト | https://swoonstudio.org/about |
Swoonは何と読む?
「Swoon」は「スーン」と読みます。
Swoonは英語でどんな意味?
Swoonは、英語で「うっとりする」「気絶」などの意味を持つ言葉です。
Swoonはいつから活動している?何歳のとき?
Swoonは1999年からストリートアーティストとして活動しています。
当時21歳です。
Swoonは現在もストリートで活動している?
現在は、おそらくストリートでのイリーガル(非合法)な活動は行っていません。
ドローイングや没入型インスタレーション、ストップモーションアニメーション、映画制作などを行っています。
現在の活躍は本人のインスタグラムで見ることができます。
Swoonのアートスタイルと特徴
Swoonの活動初期では、ウィートペーストと呼ばれる手法を用いてニューヨークのストリートで活動しました。
ウィートペーストとは、ポスターなど大きな紙を小麦糊などで公共の壁に貼りつける手法です。許可なく行われるため基本的に非合法です。
彼女は昼間から非合法なウィートペーストを行っていました。ドキュメンタリー映画「インサイドアウトサイド」では、実際の活動の様子を見ることができます。映画では通りかかった女性に「きれいね」と声をかけられたり、通りかかった子供たちと一緒に貼り付けている様子が写っています。
Swoonの作品テーマ
社会問題や世の中の出来事などをテーマにした作品がよく見られます。
自ら足を運んで経験したこともあれば世界的にニュースになった出来事など様々なテーマを扱っています。
Swoonが有名になったきっかけ
Swoon(本名:Caledonia Curry)は、いくつかの作品やプロジェクトを通じて注目を集め、有名になりました。以下に、彼女が有名になった具体的なきっかけを挙げます。
2000年代初頭:ニューヨークのストリートアートシーンでの活動
Swoonは、ニューヨークの街中で、ウィートペーストという技法を使い、人物のポートレートを壁に貼り付けることで注目されました。
特に、廃墟や使われなくなった建物の壁をキャンバスにして、都市空間を独自の方法で再解釈する作品がストリートアート愛好家や地元住民の目を引きました。
2005年:「ジェフリー・ダイチ・プロジェクト」での展示
彼女の大きな転機は、2005年にニューヨークの有名ギャラリー「Deitch Projects(ジェフリー・ダイチ・プロジェクト)」での展示でした。
この展示では、ニューヨークのギャラリーを香港の九龍城砦にインスパイアされた手作りの都市景観に変貌させました。違法なバルコニーや足場、高架鉄道などを再現し、無秩序ながらも生き生きとした都市の活気を表現。彼女の友人や家族をモデルにした人物像が、橋や非常階段、道路標識が作る影の中で動き回る様子が描かれました。ドイツ表現主義やインドネシアの影絵から影響を受けた切り絵技法が活用され、ストリートの体験を詩的に探求した展示でした。
Deitch Projectsでの展示がアート界で話題となり、彼女の名前が広まりました。
2008年:「Swimming Cities of Switchback Sea」プロジェクト
廃材を使った手作りのボートで川を旅する「Swimming Cities of Switchback Sea」というプロジェクトで、Swoonは国際的な注目を集めました。
この作品は、単なるアートインスタレーションにとどまらず、パフォーマンスやコミュニティの協力を伴った多面的なプロジェクトであり、環境問題や都市再生のテーマとも結びつけられました。
特に、ニューヨーク市のイーストリバーやヴェネツィアの運河を舞台にした活動が評価されました。
「Thalassa」(2011年)での成功
2011年、ニューオーリンズ美術館で展示された「Thalassa」は、Swoonの代表作の一つとなり、彼女のキャリアをさらに押し上げました。
ギリシャ神話の海の女神をモチーフにしたこの作品は、ハリケーン・カトリーナ後のニューオーリンズの再生というテーマと結びつけられ、アートだけでなく社会的意義を持つ作品として評価されました。
2010年代:美術館進出とグローバルな活動
Swoonは、ストリートアートからギャラリーや美術館での展示へと活動の幅を広げました。
MoMA(ニューヨーク近代美術館)、ブルックリン美術館、デトロイト美術館などの主要な美術館で展示されるようになり、国際的に認知されるアーティストとなりました。
スーンの話題になったプロジェクトや作品
- ニューヨークのゴミを集めてつくったボート
- Thalassa
ニューヨークのゴミを集めてつくったボート
スーンの代表的なプロジェクトとして「Swimming Cities(スイミング・シティーズ)」があります。このプロジェクトでは、廃材を利用して作られた独創的なボートが登場します。これらの浮かぶ彫刻は、人生の儚さを象徴するとともに、環境への適応力やコミュニティの絆の重要性を伝えています。この取り組みは世界中で高い評価を受け、スーンが伝統的なアートの枠を超えて挑戦する先駆的なアーティストであることを示す象徴的な作品となりました。
Thalassa
ニューオーリンズ美術館の依頼によって制作されたThalassa。
「ディープウォーター・ホライズンの原油流出事故」のニュースをきっかけに制作され話題になりました。
Swoonが有名になったスキルや芸術的な才能以外の要因
スーン氏がストリートアーティストとして有名になった理由は、社会問題に取り組む熱意が大きな要因です。
Swoonの作品を見る方法
彼女の作品はニューヨーク近代美術館 (MoMA) やブルックリン美術館などの名門施設に収蔵されています。
Swoon氏の作品は、美術館以外でも展示される機会があります。
※期間限定で展示される場合が多く常に作品を見るこおとがd系るわけではありません。
Swoonの作品が展示されたことがある美術館
- ニューオーリンズ美術館(New Orleans Museum of Art, NOMA)
「Thalassa」が2011年にニューオーリンズ美術館で初めて展示されました。 - デトロイト美術館(Detroit Institute of Arts, DIA)
その後、「Thalassa」はデトロイト美術館に収蔵され、2016年から2017年にかけて展示されました。同美術館のコレクションに加えられているため、展示スケジュールに応じて再び見ることができる可能性があります。 - アルブライト=ノックス美術館(Albright-Knox Art Gallery)
2020年にはニューヨーク州バッファローにあるアルブライト=ノックス美術館で展示されました。この美術館のコレクションにも所蔵されているとされています。 - 東京 森美術館
- スウェーデン・ルンドのスキッセルナス美術館
- ベルギー・ブリュッセル MIMA現代美術館
- メキシコ・オアハカ 現代美術館
など
Swoonは日本にも来たことがある?
日本で過去に2回個展を行ったことがあります。(2012年と2018年)
その他にも日本の展示イベントに参加しています。
2012年に日本で行われたSwoonの展示「Honycomb」では、世の中で起きた謎の現象や社会問題、差別などからインスピレーションを受けて制作されたものが多く展示されていました。
例えば全米でミツバチが大量にいなくなる謎の現象やケニアで実感した激しい女性差別、メキシコ湾での原油流出事故に関する作品です。
スーンがコラボしたアーティスト
- バンクシー
- シェパード・フェアリー
など
メディア掲載
インタビュー動画などを紹介します。
YouTube
インタビュー
Swoonの関連商品
まとめ
Swoonは2000年代初頭、ニューヨークのストリートアートシーンで注目を集め、2005年の「ジェフリー・ダイチ・プロジェクト」でアーティストとして注目度が高まりました。その後、「Swimming Cities」や「Thalassa」のような大型プロジェクトを通じて、環境問題や社会的テーマに取り組むアーティストとして高い評価を得ました。
Swoonの実際のストリートアートの様子や展示の映像はストリートアート のドキュメンタリー映画「インサイドアウトサイド」で見ることができます。ストリートアートファンには、非常にオススメの作品です。配信では見られないため是非DVDでご視聴ください。
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